ホームインスペクターは新築でも必要?|徹底解説

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相談者
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「住宅の購入を考えているけど、ホームインスペクション(住宅診断)という言葉をよくみるようになった。新築には必要ないと思うけど、どんなものなのか詳しく知りたいな。」

こういった疑問に答えます。

 記事の執筆者情報

・不動産業界歴10年以上
・宅地建物取引士 / 2級FP技能士
・住宅ローンアドバイザー
・JSHI公認ホームインスペクター
・賃貸住宅メンテナンス主任者
・日商簿記2級
この記事はこんな人におすすめ
  • 住宅の購入や建築を検討している方
  • インスペクションについて詳しく知りたい方

新築でもホームインスペクターに建物診断をしてもらう必要はあるでしょうか。

中古住宅と違って新築なら安心だと思われたり、建築会社や不動産業者から新築だからホームインスペクターに住宅診断(ホームインスペクション)を依頼する必要ないと説明されることがあります。しかし、その安心や安全には明確な根拠はなく、「新築だから」ということで受け入れてしまう方が多いです。

この記事では、新築でもホームインスペクターによる住宅診断(ホームインスペクション)が必要な理由や、品確法にある10年保証や瑕疵保険についても解説します。

新築マンションは、契約後で引渡し前の内覧会(完成お披露目会)にホームインスペクター が同行してインスペクションを実施するケースが一般的です。

本記事のポイント

 

日本では新築は安心・安全という文化が根付いていますが、実は施工不良が発見されることもあります。

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ホームインスペクターは新築でも必要な理由

結論からいうと、ホームインスペクションは新築でも必要です。

ホームインスペクション(住宅診断)とは、新築・中古住宅の売買契約前(または契約後)に実施されることが一般的です。

検査済証があるから施工不良がないとは言い切れない

役所が実施する建築確認の完了検査は、申請通りの建物が完成されているか確認するだけの検査です。

つまり、完成した建物になんらかの欠陥があるかどうかまでの判別はしないということです。

建築確認の完了検査時の主な内容はこちらです。

完了検査の確認項目
  • 建築物の平面(見取り図など) 等
  • 建蔽率、容積率、間取り、階段の寸法、開口部の位置、居室の採光、換気状況など
  • 構造(耐火、消火など)
  • 設備(電気、ガス、上下水道、排煙、消火など)
  • 敷地、付近道路、高さ 等
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基本的に書類(申請図面等)との相違がないかという「確認」がメインになります。

上記の確認が問題なく完了すると検査済証は発行されますので、検査済証がある=施工不良がないとは言い切れないということです。

新築なら安心とは言いきれない

中古住宅と比べると、経年劣化も少なく瑕疵の発見が少ないですが、新築だから施工不良はないということでもありません

完成後でも、給水管の水漏れによる床下の水たまりや、断熱材の設置不良など、一般的な新築に抱くイメージとはかけ離れた状況になっている場合があります。

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人間に置き換えると、「外観=外見」「床下、給水管、ダクト等=血管や臓器」になります。実は目に見えない部分が、長期的にみると重要なのは人間と同じです。

上記のような事態が起こる原因には、主に以下になります。

  • 法律に関する知識の乏しさ
  • 重要視するポイントの誤認
  • 確認不足による作業漏れ

完成してしまえば隠れてしまう部分も多くなるので、完成前に施工不良を見抜くためにインスペクション(住宅診断)が新築にも必要なのです。

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現場監督や作業をする職人の力量からくるものです。ヒューマンエラーを第3者の立場で是正していく役割がホームインスペクターにはあります。

ホームインスペクション(住宅診断)を実施する目的

ホームインスペクションの目的は、売主と買主の不安を減らすためにあります。

ホームインスペクション(住宅診断)は、不動産の売買契約の前後に実施がされることがほとんどです。

例えば、家を売却する方が利用する目的としては次のようなことが考えられます。

  • 住宅の状態を把握し、それに合った価格を設定するため
  • 住宅の状態に問題がないことを担保にして、売却をしやすくするため
  • 引き渡し後に買主とのトラブルを避けるため

インスペクションをして住宅に問題がないことが分かれば、売主は安心して売却することができます。購入側にとっても、良い点悪い点が可視化されて、納得した判断をしやすくなります。

仮に、ホームインスペクション をして不具合が見つかっても、修理費用分を値引きしたりと調整がしやすくなります。

しかし、不動産業者には嫌がられる傾向にあります。

主な理由としては、以下が考えられます。

  • 施工不良などが発覚して取引中止を避けたい
  • 契約や引き渡しまでに時間をかけたくない

不動産会社は契約や引渡しまでのスピードを可能な限り早めたいと考えています。

営業である以上、売上への執着からくる対応ともいえます。

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本来、不動産業者が、「売主」と「買主」のそれぞれの意向を汲み取りながら、インスペクションの重要性や目的を理解させることが重要なのですが、実態は立場を悪い方向に利用していることがあるということです。


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ホームインスペクターの調査項目

ここでは、ホームインスペクターの調査項目について解説します。

ホームインスペクション(住宅診断)の調査項目

一方、ホームインスペクション(住宅診断)の一般的な調査項目は下記になります。(会社ごとで有償になる項目あり)

✔︎一般的な調査項目(例)

調査項目
外周り基礎(外側部分)、外壁仕上げ、屋根、軒裏、雨樋、バルコニーなど
室内壁・柱及び梁のうち屋内に面する部分、床、天井、開口部等(サッシ・建具)など
床下基礎(戸建てのみ)、床下面など
天井裏屋根裏梁・桁・小屋組・野地板(下屋を含む)など
設備給水設備、給湯設備、排水設備、換気設備、住宅用火災警報器など

調査で見つかる屋根裏の雨漏り、床下の水漏れ、シロアリの被害、基礎のひび割れ(クラック)などは、床下や天井裏の検査で発見することも多いのですが、

役所の完了検査では床下や天井裏の検査はしません。

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調査時間は、戸建てで3~4時間、マンションで2時間ほどが一般的です。

新築住宅のホームインスペクション(住宅診断)でチェックするのは、施工不良の有無であり、設備等の仕様レベルの良否のアドバイスをするものではありません。

ここまでの解説で、検査済証が発行されていても欠陥が見つかる理由が分かると思います。

建築途中でもホームインスペクションは可能

建物が完成した状態なら仕方ありませんが、建築途中やまだ土地の状態で販売されている場合は、工事中のホームインスペクション(住宅診断)を承諾する不動産会社や工務店は比較的多いです。

建築中の住宅では、完成物件と違い、着工から完成までの間に複数回の検査に入ることが多いです。

基礎工事、躯体工事、防水工事、断熱工事はいずれも重要な工程ですが、これらだけで4~5回検査をすることになります。(状況次第で1回の場合もあります)

完了検査への立会いを含めて、多い時で10回程度の検査になることもあります。

最初の動きとしては、依頼する予定のホームインスペクション(住宅診断)のサービス内容を理解してから、売主や営業担当の方に第3者チェックを利用したい旨を相談してみることをお勧めします。

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契約者であっても工事現場には気軽に入れないことから、工事中の検査ができないと思っている方も多くいます。

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ホームインスペクションは10年保証があるから必要ないは嘘

新築にはホームインスペクション は必要ないと言われる1つの理由でも品確法という法律です。

しかし、勘違いして解釈されていることが多いのも事実です。

品確法の10年保証では不十分

新築住宅には、平成12年4月1日から施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、引き渡しから10年間の保証が義務付けられています。

しかし、この10年保証は、以下のような範囲が限定されています。

  • 構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱、小屋組、土台など)
  • 雨水の浸入を防止する部分(屋根、外壁、開口部に設ける扉や枠その他の建具など)

言い換えると、上記以外の瑕疵・欠陥は売主の保証範囲外ということになります。

前述の通り、インスペクション(住宅診断)をすると10年保証の範囲外の部分に瑕疵が見つかることも多く、10年保証だけでは不十分ということが言えます。

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顧客が「保証」という言葉で安心してしまうのは仕方ないですが、不動産会社としては、詳細をしっかり説明してほしいところです。

最もやっかいなのが、入居後に10年保証の範囲の瑕疵が見つかっても売主がすんなりと瑕疵や欠陥を認めないことがあるということです。入居後に生じた問題は責任の所在があいまいになることも多く、売主側と揉める場合もあり、精神的な負担がのしかかります。

また、仮に保証と認められた場合でも、内容次第では建物を解体する工事が発生する可能性もあります。

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一定期間の仮住まい生活が必要になったり、住みながら工事を行う場合には騒音や振動などによりストレスを感じる場合も出てきます。


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ホームインスペクションは瑕疵保険に入っているから不要は嘘

前提として、保険に加入しているから住宅に欠陥がないということではありません。

瑕疵保険とは

瑕疵保険は、売主の瑕疵担保責任(契約不適合責任)を確実に履行するための制度です。

前述した、新築住宅に義務づけられた10年保証は、瑕疵が見つかったときに既に売主が倒産していたり、そもそも売主側に補修や建て直しのための資金に余裕がなければ対応できません。

このような場合に備えて瑕疵保険というものがあります。

保険の対象は10年保証と同様、「構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分」に範囲が限定されていることが多くなっています。(オプションで追加可能の場合あり)

また、一般的には、瑕疵保険の加入名義は売主ですが、費用は買主と折半する場合もあります。

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瑕疵保険には、シロアリによる被害は適用外である等、免責事由含めて保険内容の事前確認が必要です。

売主や不動産会社から言われる「瑕疵保険に入っているので安心です」は実は安心ではないということを理解しておきましょう。

瑕疵保険でも防げないことが多い

瑕疵保険は「もしも」の時に、あったほうがよい大事なものです。

しかし、状況次第では、保険の対象と認めてもらえずに大変な交渉を強いられる場合もあります。

つまり、10年保証と同じように瑕疵保険では防げないことが多いので、引渡し前のホームインスペクションでリスクを事前に把握・回避することが重要だということです。

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保証の隙間を埋めるためにホームインスペクション(住宅診断)を行う意義は大いにあると思います。

建築トラブルの相談は増加傾向

建築トラブルの相談件数を参考までに紹介します。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、新築やリフォームのトラブル相談を受けた件数を公表しています。

※注文や売買等により取得した住宅(中古住宅の売買も含む)


参照:公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(2021年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析)

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本記事の肝である「新築等住宅に関する相談」が年々増えているのが分かります。

住宅のトラブルに関する相談の主な苦情の相手方は、「新築等相談」では「新築時の施工業
者」の割合が最も高く59.9%、次いで「不動産業者」が26.3%を占めており、「リフォーム相談」では、当然ですが「リフォーム業者」の割合が最も高く93.6%を占めています。

ちなみに戸建てにおける建物の症状としては、以下の順番で相談が多いということです。

  • ひび割れ・雨漏り(外壁・屋根)
  • 性能不足(設備機器・開口部)
  • 変形(床・開口部・建具)
  • はがれ(外装・内装)
  • 汚れ(外壁・床)
  • 漏水(給水・給湯配管・給水配管)
  • 作動不良(開口部・建具・設備機器)
  • 傾斜・床鳴り(床)
  • 沈下(地盤)
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このような情報からも、新築住宅のホームインスペクション(住宅診断)の必要性を感じることができます。


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ホームインスペクションで実際に見つかった不具合事例と原因

ここでは、インスペクションで発覚した小さな不具合を紹介します。

確認不足が原因で起きる事例

主に施行後のチェックがしっかりされていないことが原因で起きた事例です。

  • 床下の配水管が揺らいでいる
  • 天井裏の施行すべき金物(かすがい等)が設置されていない
  • 給気口が取れてしまう
  • コーナー巾木が取れてしまう
  • 床下に設置されている床束が揺らいでいる

もう少し酷くなると以下のような事例があります。

  • 床下に水たまりが残っている(湿気による土台や床材が腐っていく原因になる)
  • ユニットバスの天井裏配管(ダクト)が外れたまま放置されている(蒸気によるカビが繁殖する原因になる)
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当たり前のことと思うかもしれませんが、人が作業をしているのでどうしても漏れが生じます。このようなチェックを第3者の立場から行うのが、ホームインスペクター(住宅診断士)の役割です。

ホームインスペクターは一級建築士でも安心はできない

ホームインスペクター(住宅診断士)は建物に関して適切なアドバイスを求められるため、一定の知識や経験が必要です。

資格をあてにしすぎない

建物に詳しい人というと「建築士」が頭に浮かぶと思います。一般的に知られている「建築士」には、2種類の資格があります。

  • 1級建築士
  • 2級建築士

1級建築士のほうが難関資格という印象がありますが、実務的には、単純な役割の違いという側面が強く、必ずしも能力の違いを表しているわけではありません。

住宅関係が2級建築士、学校や病院などの大規模な建物関係が1級建築士という位置づけになっています。例えば、大規模な建築物を中心に担当してきた1級建築士の場合、住宅にはあまり詳しくないことがあります。

資格だけをあてにしないで、実績含めた能力でみることが大切です。

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病院の中にも、内科や外科があるのと同じように、専門分野に細かく分かれているということですね。

ホームインスペクターの認定団体

インスペクションを行うのは、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる民間資格の有資格者や建築士です。

以下のようなホームインスペクター認定団体があります。

公認ホームインスペクターの種類
  • JSHI公認ホームインスペクター(管轄:日本ホームインスペクターズ協会)
  • 既存住宅状況調査技術者(管轄:国土交通省)
  • 住宅インスペクター(管轄:一般社団法人 住宅長期支援センター)
  • ホームインスペクター(管轄:一般社団法人住宅管理・ストック推進協会)
  • ハウスインスペクター(管轄:一般社団法人 全日本ハウスインスペクター協会)
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実績確認も必要ですが、できるだけ建築士の有資格者であるホームインスペクターが望ましいです。

宅地建物取引業法における重要事項説明では、指定の登録講習を修了した建築士(インスペクターまたは既存住宅状況調査技術者)が実施した内容に限ります。


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ホームインスペクションは大手施工の新築だから不要は嘘

誰もが知っている大手ハウスメーカーや大手デベロッパーなら安心と言えるのでしょうか?

大手の現場ほど多忙でヒューマンエラーが起きやすい

結論、大手だろうが、第3者としてのホームインスペクションは大切です。ハウスメーカーによっては、1人で10棟以上の新築工事を同時監理することも珍しくないようです。

当然、現場に行く時間を確保できなくなり、監理不足による作業漏れが発生する場合があります。

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どれだけ優秀な現場監督でも、人間なので確認漏れなどは仕方ありません。
逆に優秀な人ほど、任される現場が多くなるという実態もあるようです。

上記のような実態があるため、よりホームインスペクション(住宅診断)が必要になります。

また、前述した瑕疵保険に関わる現場検査を「第3者検査として」説明されることも多いですが、検査が数十分程度の限られた時間内で実施されることが多く、施工不良などを十分に検査する目的とはされていないことにも注意が必要です。

当然ですが、ホームインスペクションは、施工業者と利害関係のない第3者機関を買主自ら選び、検査を依頼することが必要です。

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ホームインスペクターの立場は3種類

ホームインスペクションの会社は現状で大きく分けて下記の3種類と見られ、それぞれ特徴がございますので選ぶ際の参考にしていただくと良いでしょう。

完全独立系の組織型

複数のホームインスペクターが在籍する完全独立系の会社です。

設計や工事の請負や紹介などは基本的にせず、それに伴う利害関係がないため、第3者として公平な目線で診断がしやすいことが特徴です。

引き受けられる仕事量も比較的多く、仮に本部機能があれば、柔軟にスケジュール調整もでき、急な相談なども対応可能です。

個人型

設計事務所などと合わせて、あくまでも個人(副業)としてホームインスペクションも請け負っている会社です。

個人HPの他、業界団体などから仕事の依頼を受けています。受注量や仕事のやり方含めて、全て個人の能力や属人性で決まるので、サービスにバラつきが出る可能性があります。

仮に設計や工事などと合わせてホームインスペクションを依頼する場合は、第3者の立場ではなくなるので、客観性が薄まるため注意が必要です。

建築会社や不動産会社等のグループ系列の組織型

グループ会社の中のひとつとしてホームインスペクションを行っている会社です。

不動産会社や建築会社等がグループ会社にあり、完全独立系ではないため、グループ会社に工事紹介などを繋げられる可能性もあることから、インスペクションが公平な目線での診断になっているのかどうかには注意が必要です。

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その他には、会社の枠を超えた個人的な付き合いで、紹介元が懇意にしているホームインスペクターを紹介される場合もあります。


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まとめ

今回は、新築におけるホームインスペクターの必要性について解説しました。

本記事のポイント

 

ポイントは、竣工後の役所による検査項目とホームインスペクションの診断項目は違うので、新築でもホームインスペクターによる調査は必要です。

また、10年保証や瑕疵保険の対象にはならない部分をホームインスペクションが調査と診断をしてくれます。

ホームインスペクターに住宅診断をしてもらうことで、気持ちの部分含めた色々な意味で「安心」を買うことができます。

人生において2度あるかどうかの大きな買い物の安心を数万円(5万~10万)で買えると思えば、高くないと思います。

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単純に粗探しをするだけではないということを理解しておきましょう。

そもそものマンション購入の予算の決め方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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