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住宅ローンの審査基準
まずはじめに、住宅ローンの審査基準について触れておきましょう。
住宅ローン審査の「事前審査(仮審査)」と「本審査」には、どんな項目があるのかについて解説します。
事前審査(仮審査)と本審査の2つに通過しないと住宅ローンが組めません。
審査基準
主に申込者である「人」と「物件」を中心に審査をされています。
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住宅ローンの審査基準 |
ー | 審査項目 | 審査基準 |
申込者の属性 | 支払いの遅延履歴 | 過去に支払を遅延していないか |
年齢 | 完済時の年齢が80歳以上ではないか |
健康状態 | 持病や健康不安がないか |
年収・勤め先 | ・収入は安定しているか ・個人事業主か否か |
勤続年数 | 在籍期間が半年~1年以内ではないか |
物件の属性 | ・物件の担保評価、耐震性能、住宅としての品質など ・物件が容積率オーバー、建蔽率オーバー、借地権(旧法・新法)、保留地、仮換地などの権利関係や違法建築となっていないか |
その他には「借入金額に無理はないか」や「収入に対する返済負担率(返済比率)が高すぎではないか」など、返済計画が問題ないかも確認しています。
>> 【関連記事】住宅ローンでCICを見ない金融機関はある?|信用情報にキズが付く行為も紹介
審査方法
事前審査(仮審査)と本審査における、審査方法は以下の通りです。
審査の段階 | 審査方法 |
事前審査 | 申込者本人の自己申告した情報をもとにする審査 |
本審査 | 申込者から提出された所得証明書などを審査して、融資の可否を決定するための審査 |
書類をもとに細かく審査するのが本審査というイメージです。
確認されている項目に大きな違いはありません。
住宅ローンの比較はモゲチェック
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住宅ローンの審査に通らない理由と対策
住宅ローンの審査に通らない主な理由は、以下になります。
住宅ローンの面積要件を満たしていない場合
対象物件の床面積が狭すぎると住宅ローンが使えません。
主な金融機関の基準として、床面積50㎡以上あるかどうかになります。(「40㎡以上50㎡未満」も条件を満たせば適用可)
理由としては、50㎡を下回ると住宅ローン控除などの税制優遇が受けられないこともありからです。
万が一、売却するにもスムーズに行かない可能性がでてきます。(金融機関として、貸したお金が返ってこないリスクがある)
フラット35(面積の要件)
- 床面積:戸建住宅70㎡以上、共同住宅(マンションなど)30㎡以上(登記簿謄本が基準)
- 敷地面積は制限なし
パンフレットに書かれた床面積(壁しん)ではなく、登記簿謄本に記載された床面積(内のり)が基準になります。マンションでは特に注意しましょう。
対策:面積要件を満たす金融機関を探す
対策としては、狭い面積でも住宅ローンが使える金融機関を探すということです。
例えば、りそな銀行は30㎡以下でも使えるようになりましたが、詳細確認は必要です。
狭いマンションになると投資用マンションとして利用されるリスクが金融機関としてあるため、面積要件を加えているという背景があります。
1981年(昭和56年)より前に建築確認を受けた物件の場合
中古物件において、旧耐震基準の物件は住宅ローンが使えなくなるケースがあります。
旧耐震基準の物件を買いたい場合は、取り扱える金融機関はかなり少なくなります。
- 旧耐震基準とは:1981年5月31日までに建築確認通知書を取得した建物
- 新耐震基準とは:1981年6月1日以降に建築確認通知書を取得した建物
1981年5月31日までに建てられた建物を旧耐震基準と勘違いしている方が多くいます。
対策:旧耐震でも取り扱いができる金融機関を探す
旧耐震物件を住宅ローンで使える金融機関は少ないのが現状です。
地震も頻繁に発生する昨今では、リスクしかないという判断なのかもしれません。
旧耐震でも住宅ローンが使える金融機関は以下ですが、都度確認が必要です。
- みずほ銀行、住信SBIネット銀行、フラット35など
フラット35は耐震評価基準などに適合していることが条件です。
ほかにも借入がある場合
住宅ローンの借入とは別に、既にほかでも借金(ローン)をしている方は、審査において不利になる傾向があります。
主な借入内容(例)
- クレジットカードの分割払い、リボ払い、キャッシング、カードローン
- カーローン
- 他の不動産ローン
- 奨学金
- 消費者金融
- 携帯電話の端末残代金(分割払いの場合)
返済において遅延履歴などあると、CICなどの信用情報機関に登録(ブラックリスト)をされてしまうので、審査もより一層厳しくなります。
携帯電話の端末料金を分割払いしている場合は、その借入分も審査に反映されてしまいます。
>> 【関連記事】住宅ローン審査の明暗を分けるCICとは|信用情報の見方
対策:融資実行までに完済する
融資実行までに完済できれば、希望金額の住宅ローン審査に通りやすくなります。
ポイントは毎月の負担が大きい返済から優先していくことです。
既に不動産投資ローンを組んでいる場合
不動産投資用ローンを組んでいると、住宅ローン審査に影響を与えてしまいます。
不動産投資はあくまで「事業」なので、リスクと捉えて審査も消極的になるのが金融機関の一般的な考え方です。
希望の借入金額に届かないことが多くなります。不動産投資も個人でやっていることが多いので、同じ個人が使う住宅ローン審査にも影響が出るのは当たり前かもしれません。
>> 【関連記事】住宅ローンの借り換えできない5つのケース
対策:不動産投資ローンを借入とみなさない銀行を探す
滅多に少ないですが、家賃収入が毎月プラスに転じている場合は、「借入」に含めない金融機関もあります。
いずれにしても、不動産投資ローンを組みながら住宅ローンを使う場合はリスクはあります。
可能な限り頭金を多く出せる状態をつくっておくことが大切です。
勤続年数が1年未満の場合
勤続年数が1年未満だと、金融機関としての評価がマイナスになってしまいます。
転職をして数ヶ月の状態だと、今後も仕事を続けていけるか見通しがしにくいからです。
金融機関次第では、同じ業界への転職だとマイナスに働かないこともあります。
お金を貸す立場として、勤続年数が短いと現状の年収が継続できない可能性を考えます。
>> 【関連記事】住宅ローンの審査における在籍確認|融資実行まで要注意
対策:勤続年数に制限がない金融機関を探す
審査基準において、勤続年数1年以上や3年以上に設定している金融機関が一般的です。
フラット35や一部のネット銀行は勤続年数を申込要件にしていません。
同族経営の会社に勤めている場合
同族経営の会社に勤務している場合は、個人に加えて会社の経営状況も厳しくみられます。
そのため、申込時の書類に法人の決算書が求められる場合があります。
中小企業の社長と同じような書類は求められるイメージです。
対策:フラット35を中心に検討する
他の金融機関ほど個人の属性を重視していない、フラット35を検討しましょう。
決算書の提出が必要なく審査できます。
給与形態が歩合制の場合
完全成果報酬型の不動産営業や個人事業主の生命保険ライフプランナーなどは基本給が少ない歩合制のため、金融機関として慎重に審査するポイントとなっています。
過去3年分の収入証明書の提出を求められ、一番低い年収で審査されることがあります。
個人事業主は住宅ローン審査が通りづらい印象です。基本給がないフルコミッションの方は、賃貸物件に住んでいることが多いです。
対策:資金計画の見直しをする
歩合制の場合は、いわゆる額面ではなく所得で判断される傾向にあります。
無理のない返済計画を検討しましょう。